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2005シニア・レーザーワールド

JAPANチームコーチ 箱守氏のレポートです


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最終日の巨大なうねりの中
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表彰台にあがって、チャンピオンのシェイドは地元の大声援を受けました。


大会全体のサイト:
http://www.2005laserworlds.com.br/index.html

大会全体の成績:
http://www.2005laserworlds.com.br/results.html

をご覧ください。




Index 2005シニア・レーザーワールドのお知らせ

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椰子の木の下にずらっと置かれた参加選手用チャーター艇
2005年レーザー級世界選手権がブラジルのフォルタレーザで開催されます。日本からは3名の選手が参加しており、レースは下記のスケジュールで開催されます。38カ国から138艇が出場するレーザーですが、厳しいルールで道具の差がないクラスだけに、選手個々の能力が問われます。アテネ五輪が終わった後、上位選手が他クラスへの転向を見せている中、各地で着々と力を伸ばしている若手選手達が世界の中でどういう位置づけになってきたか。また、その中で、連覇を続けているロバート・シェイド(ブラジル)が更に勝ち続けるのか。黙々と体を鍛えて、セーリング技術も向上させてきた飯島、ダウンウィンドで抜群のセンスを見せる永井、博多で若手選手と乗り込みを続けている沖西の3名が世界の中での自分達の力を試す絶好のチャンスです。
日程:  
9月19日-21日 受付、レース艇の抽選、配艇、計測
9月22日-25日 予選レース(1日2レースを予定)
9月26日-28日 決勝レース(1日2レースを予定)
9月28日 レース終了後、表彰式

参加選手:    
飯島洋一 (いいじまよういち) (飯島木型)
永井久規 (ながいひさき) (豊田合成)
沖西祥宏 (おきにしよしひろ) (SPN)


Index 2005シニア・レーザーワールド 9月19日 (レポート1)
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3本のスロープとその周辺
ブラジル(フォルタ・レーザ)で開催される2005シニア・レーザーワールド(シニアというのはジュニア、マスターズと区別するために、レーザー級がオリンピッククラスのスタンダードリグをシニアと呼んでいます。)の参加日本選手3名は、チャーター艇も受け取り今日も元気で強風の中で最終調整を行いました。

大西洋に面したフォルタ・レーザは、毎日NEの風向から8〜11m/secの風がコンスタントに吹き、水深が浅いためうねりと共に時々砕けた波が立つラフなコンディションです。こういったタフな条件は、レーザーのワールドにふさわしく、エキサイティングなレースが展開が予想され楽しみです。レース艇は宿泊場所のホテル敷地内に艇も保管されており、全てがホテル内で終えることが便利で、何より最高なロケーションです。

本日、日本選手は受付(レジストレーション)も終了し、明日は計測が予定されています。最終のエントリーリストは、まだインフィメーションされていませんが(19日現在38カ国138艇)、常連も含めハイレベルな戦いが強いられる予想です。

今日の練習では、40隻以上の艇がゲートスタートで約1,2マイルの距離を走り、ソーセージコースの練習を何回も行いました。日本選手も上位を走る姿が見られ、レース海面の風のシフトやラフな海面での操船等に慣れる調整を行いました。強風でも負けることなく帆走できていると思いますから、スタートでどれだけ遅れずに着いていけるかが大きなポイントでしょう。レース初日までの残り2日で、コンディションをピークに持っていけるよう、更なる調整をしていきます。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月20日 (レポート2)
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下マーク回航の飯島選手
今日は、プラクティスレースがNEの風5〜8m/secの中、2グループに分けて行われました。昨日より風速は落ちるが、相変わらず水深が浅いために波が悪いです。
プラクティスレースはどの種目(クラス)も同じで、ゼネラルリコールであろうとなかろうと、そのまま第一マークに向かってセーリングモード!!誰も戻ってこない状況です。そして思いのままにハーバーへ帰ってしまう・・・いつもの光景を見ながらレースコミッティーもN/Aを掲揚!! マークを撤収して今日も終了です。
 
日本からの3選手は共に、プラクティスレース前に計測を済ませ、後はレースに臨むだけとなりました。今回のワールドは、参加国数36ケ国、総数137隻がエントリーしています。予選は2グループに分かれ、イエロー68隻、ブルー69隻となり、22日から予選ラウンドが開始されます。初日はイエローに永井選手、ブルーに飯島選手と沖西選手、と分かれますが、その日の成績で毎日グループ分けをしなおしながら25日まで計8レースが行われる予定です。その後ゴールド/シルバーに分けられて、26日から28日まで計6レースでフィナルが行われる予定です。

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地元スタッフに手伝ってスロープを降ろす永井選手
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グループ2(インナーループ)のトップ集団
明日は、オー。プニングセレモニーが行われますが、最後のコンディション調整、艇の整備を行い練習はせずにゆっくり休養です。
インターナショナル・ジュリーで大谷さんも明日フォルタレーザに入る予定です。天気予報では、風もフォルタレーザの順風とあり、まずまずのコンディションでレースができそうです。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月21日 (レポート3)
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開会式にて。日の丸を掲げて、左から飯島、沖西、永井。
昨日は、36ケ国と報告しましたが、最終的に参加国数は38ケ国に増えましたので訂正してください。各国で予選をやり、選抜されての代表ですから、たった一人で参加している国もありますし、地元ブラジルのように、普段は少ない枠で参加している国が地元の利を生かして数を増やしているケースもあります。

今日は、現地時間の10:00から開会式が始まり、簡単なセレモニーがありました。ハイライトとしては、アテネ五輪のメダリスト3人が紹介され、その彼らが今回も出場することでしょうか。ハイレベルな戦いが予想されます。

日本チーム3名、飯島、沖西、永井も、本日はレイデイでしっかり休み、明日からの戦いのために体力温存と最終調整の日としました。3人とも元気です。

毎日吹いている安定した風でしたが、風速は、序々に落ちてきています。前半戦は、中風(5〜8m/sec)の戦いかもしれません。

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38カ国の国旗が並ぶのは、世界に普及するレーザー級ならではです。
明日から本番です。インターナショナルジュリーの大谷さんもフォルタレーゼに本日入り、全てのジュリーも揃いました。日本選手の走りにご期待を・・・



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月22日 (レポート4)
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レーザー世界選手権が5−6m/sのコンディション、青い海のフォルタレーザ(ブ
ラジル)で始まりました。
飯島が好調な滑り出し

世界選手権初日の第1〜2レースは、風向105〜110度、風速5〜6m/secの中で、予選2グループに別かれて行われた。
昨日、再度組み替えがあり、先にスタートしてアウターループを走る第1グループ(イエロー)゜に永井、沖西選手、第2グープ(ブルー)のインナーループには、飯島選手と別れた。この風域は日本チームに調度良いが、周期変動の風のシフトパターンはコース選択が難しいレースでもあった。上手にシフトを捕らえた選手と捕らえられなかった選手との
差がでる、順位変動の激しい、面白いレース展開であった。
スタート運営船は、スタート直前に風がシフトしイーブンのスタートラインで無くなると回答旗を上げて延期する徹底ぶりのレース運営であった。普通、5°〜10°ぐらいのシフトであれば、スタートさせても影響ないと思うが、この辺はレーザーワールド特有の徹底ぶりである。

今日は、出艇前に「ワールド初日であることから、フリート数の半分の順位をまず目標に、順位を出来るだけ上げてフィニッシュすること」と、話し、その為には、(1)スタートで出遅れないこと、Aフリートの流れにできる限り乗って反対のタックを走らせられないこと。を指示した。

本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日予選2レース (2グループ)

28位 飯島洋一 (飯島木型) 13ー19 (32p)
103位 永井久規 (豊田合成) 50ー50 (100P)
120位 沖西祥宏 (SPN) 66ー56 (122P)

飯島選手は、数多くの海外遠征、ワールドを経験していることでレースの組み立てや、レース海面での相手艇との位置関係、状況判断が身に付いていることが、その結果が今日のレースに現れ、これまでの成績を大きく上回っている。迷うことなく、決めるところで決めるレースができたのであろう。途中順位がよくなかったところからでも、順位を落とさずチャンスを生かしてフィニッシュ順位を上げてくるレース展開であった。このの貯金を明日からのレースで叩かないように注意が必要。良い滑り出しが出来たので、より上位の選手と競って多くのポイントを戦いながら勉強し、自分のセーリングとレースでのペースを維持してもらいたい。「こんなに名前が上位にある世界選手権は初めて!今日の成績表を印刷してとっといてください!(飯島談)」

永井、沖西は、自分の普段通りのセーリングが出来なかった様であった。スタートが良かったにも関わらず、中途半端なコース取りをすることで順位を上げられなかったケースもあった様である。明日は、思い切りのよいレースで、自分らしく、力をだせるように。

まだ、しばらくこのコンディションが続く予報だが、5〜6m/secの中風でも、大きく体重のある海外選手の走らせ方やスピードがあることに驚かされる。日本選手にとっても苦手な風域ではないはずだから、明日からのレースに期待したい。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月23日 (レポート5)
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何回優勝したら気が済むのか・・・・チャンピオンのロバート・シェイドとコーチ。
2日目の第3〜4レースは風向110〜120°、風速5.5〜7.5m/secの中、昨日より多少風が強まり、うねりも入る中で行われた。
本日の組み合わせは、、最初にスタートしてアウターループを走る第1グループ(イエロー)に永井選手、第2グープ(ブルー)のインナーループには、飯島選手、沖西選手と別れた。昨日と同様に風軸110°で5〜10°の周期的な風のシフトがあり、フレをつかめなけれ
ば上位にあがれない展開であった。うねりは大西洋の中に浮かぶ島の近くで競技を行っている錯覚さえ覚える、外洋の波の感覚である。

第2グループは、昨日もそうだったが、何回かのゼネリコを繰り返しスタートするパターンが続いている。運営もスタート直前に風がシフトしイーブンのスタートラインで無くなると回答旗を上げて延期するパターンが続く。スタートから上マークまでの時間は、トップ艇で20分強の長さがあり、従ってレース後半のダウンウィンドになるとトップとラスト艇の間隔が1レグ近く離れてしまう。

全体に風速が上がってくると順位を落とす傾向であるが、飯島・沖西選手は第1マークは20〜30位ぐらいで回航しているので、クローズでの走りは損傷ない感じである。
「でも、フリーでついていけない。自分だけ置いて行かれてしまう・・・」と、沖西はフリーが課題。第1上マークまで何とか付いているので、フリーの走らせ方をこの機会にマスターしてもらいたい。飯島は、予選レース残り4レースを上手にまとめて、ゴールドフリートに残ることが最初の目標になる。レース展開等は、良いイメージで走れているので、崩さずにいきたい。永井は、自分のイメージどおりにレース運びができないので、結果が出ないことで精彩を欠いているが、ここまでは、レースの流れに乗れていない感じである。各選手とも、スタートは、口うるさくアドバイスしているのでフレッシュなポジションからスタートする意識で一線から積極的に出ていると思う。

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トップで風下マークを回航していくシェイド(アップウィンド)と追従するクロアチア。
アテネ五輪金メダリストのロバート・シェイド(ブラジル)は、昨日、出遅れた分を取り戻すかの勢いで、今日は2レースともトップをとり、総合でも3位にあがってきた。ワールドタイトルを連覇することを視野にいれ、ゴールドメダリストらしい貫禄の走りを見せてくれた。

明日から多少風が強まる予報がでており、日本選手にとっては、予選後半の4レースは厳しい戦いになりそうである。

本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日予選2レース (2グループ)

46位 飯島洋一 (飯島木型) 13ー19-24-37 (93p)
111位 永井久規 (豊田合成) 50ー50-57-55 (212P)
124位 沖西祥宏 (SPN) 66ー56ー59-63 (244P)


Index 2005シニア・レーザーワールド 9月24日 (レポート6)
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最初のダウンウィンドマークでは必ず混戦。前で回れればクローズでの展開が楽な流れになります。抜け出せた飯島。
ワールド3日目の予選第5〜6レースは風向110〜120°、風速6.0〜7.8m/sec、昨日とほぼ同じ風で行われた。本日の組み合わせは、第1グループ(イエロー)に永井選手、第2グープ(ブルー)には、飯島選手、沖西選手となり、日本選手は昨日と同じに別られた。今日は第1グループが何回ものゼネリコを繰り返して、やっとスタートするパターンが続き、また風向が変化してはAP旗で延期、そしてマーク打ち換え等で時間がかかり、全レース終了後の帰港が日没前となった。

本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日予選2レース (2グループ)
6レースを終了したので最も悪い1レースをカットします。

39位 飯島洋一 (飯島木型) 13ー19-24-(37)-15-25 (95p)
107位 永井久規 (豊田合成) 50ー50-(57)-55-52-47 (254P)
124位 沖西祥宏 (SPN) (66)ー56ー58-63-54-57 (287P)

飯島選手は、スタートから良い位置で出られているので、第1マークを中盤以上で回航し、フリートの上位の流れに乗れている。明日の予選2レースをきっちり走れればゴールドフリートに入るだろう。決勝に入れば上位激戦になるから、予選のうちにポイントを稼いでおくことも、最終トータルに影響するので大切だ。

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フィニッシュが近くなると、フリートはばらけてきます。ボートスピードをコントロールして、最後のマークを回航する飯島。
沖西選手もスタートは悪くなく、クローズで付いていくが、フリーではいっしょに回航したグループにおいていかれ、また後続グループに吸収されなかなか上位の成績でフィッシュできないパターンが続いている。永井選手は、スタートの優越より走りに迷いがある様である。コース選択を含めて思い切りの良いレースが出来ていないため、50番台が定位置になってしまっている。
 
ロバート・シェイドが本日も1−1を取り総合でも1位に上がってきた。また、アテネ銅メダリストのバスリー・ズボガー(スロベニア)もダウンウィンドでのスピードを武器に総合3位、2位にはフランスのジェレミー・ステイヤが安定したレースぶりを見せています。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月25日 (レポート7)
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飯島選手予選最終レース:アウター下マークを韓国キム選手と争って16位で回航
する
飯島選手がゴールドフリートに!

ワールド4日目の予選ラウンド最終日、第7〜8レースが風向115〜140°、風速10.6mで行われた。本日の組み合わせは、第1グループ(イエロー)に永井選手、飯島選手、第2グープ(ブルー)のインナーループには、沖西選手であった。昨日よりも風が強くなり、10mオーバーの強風で、大西洋の外洋らしい大きなうねりも入り、レーザーワールドらしいダイナミックな接戦が随所で見られ、なかでもバイザーリーでのサーフィングは凄い迫力であった。

強風とうねりの中、スタートは1回のゼネリコのみで、スムーズな運営が行われた。毎朝、9:00から運営のヘッドであり、レーザー級の国際事務局を長年つとめるジェフ・マーティンがコーチミーティングを開いているが、今日はワールド等の大会の最終レース前まで優勝が決まった選手のDNCに関してISAFの検討課題が討議された。オリンピックでは、優勝者が最終日前に優勝が決まってしまい、最終日にレースにでないと、対メディア等問題があるとのこと。他のオリンピッククラスも世界選手権やメジャーな大会で試験的にグランドファイナルなどのシステムを導入しており、レーザー級も、「今後クラス規則の変更で改正がされる可能性が高いかもしれない。」とのコメントがあった。

本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日予選最終日2レース(2グループ)
6レース以上終了したので最も悪い1レースをカット。

41位 飯島洋一 (飯島木型) 13ー19-24-(37)-15-25-31-17 (143p)
105位 永井久規 (豊田合成) 50ー50-(57)-55-52-47-47-44 (345P)
120位 沖西祥宏 (SPN) (66)ー56ー58-63-54-57-49-58 (395P)

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沖西選手のフィッシュ手前でのセーリング
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永井選手予選最終レース:アウター下マーク回航
これまでの挑戦では予選最終日にゴールドに残れるか残れないかとボーダーラインではらはらしていた飯島選手は、今回危なげなくゴールドフリートに残ることができた。飯島は日本を出発する前に、「ゴールドに残ることが目標ではなく、30番台に入る。470と肩をならべたい。」と、自己目標を設定をしているので、明日からより上位を目指してレースをしていく。永井、沖西はシルバーフリートでの戦いとなる。沖西は初ワールドで、ダウンウィンドの洗礼を受けているわけだが、多くの選手が乗り越えていく登竜門と考えて、シルバーフリートのレースの中で、技術的なものをつかんでほしい。永井はワールド5回目なのだから、気持ちで逃げずに、国内レースで見せるような、もっと攻撃的な走りとレース運びを思い出して、レースしてほしい。

レイデーもなく、明日から決勝が始まります。より厳しい戦いになりますが、日本から届く応援に飯島が答えてくれることを期待します。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月26日 (レポート8)
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今日は、海から見た宿泊ホテル、フォルタレーザのマション群を写真で添付しました。
今日からゴールド&シルバーフリートでの決勝ラウンド初日、第9〜10レースが行われた。予選と同様に偏東風の120〜140°、風速MAX9.6m/sceのコンディションで大西洋のエメラルドグリーンの中で決勝レースがスタートした。

決勝最初のレースで飯島選手は周囲に大柄な選手が増えて、彼らの角度をとる走りに翻弄されてしまい、63位とペースを崩してしまったが、次のレースでは今年、根つめて練習してきたメントリムをしてスピードを落とさない走りを取り戻して22位をとることができた。ダウンウィンドも何とか上位フリートで食いついていけていた。

連覇を狙うロバート・シェイド(ブラジル)は決勝になってもトップを独走し、スロベニアのスゴガーが2位につけている。しかし、2位から6位は12点内の接戦であり、シェイドを止めるセーラーが、今のところ見当たらない状況である。


本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日決勝2レース (2グループ)
6レース以上終了したので最も悪い1レースをカット。ゴールドとシルバーの成績は最終成績で1つにまとまります。

ゴールドフリート 68艇
40位 飯島洋一 (飯島木型) 202点
  13−19−23−37−15−25−31−17−(63)−22

シルバーフリート 68艇 
39位 永井久規 (豊田合成) 423点
  50−50−(57)−55−52−47−46−44−51−28
45位 沖西祥宏 (SPN) 452点
  (66)-56-58-63-54−57−49−58−36−21

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フォルタレーザの町並みをバックに帰航するレーザー。都会です。
12月に同じ場所でレーザーラジアルワールド、ユースワールドが行われますが、参考のためにインフォメーションすると、その時期も今回と同じコンディションとのこと(貿易風ですから)。参加する選手は、うねりに乗せたサーフィングテクニック(フリーでの帆走)とラフなコンディションでの帆走テクニックそして体力が必要です。レースが終わった後は、プールでストレッチなどすれば最高ですヨ。

海は、最高ですがホテルの裏はスラム街ですので要注意。コーチボートの燃料を買うガソリンスタンドまで行く時も時計、バックを置いていかないと両手が燃料タンクでふさがっていれば、物取りに狙われるので危険です。無論夜間の外出は注意が必要ですが、ワールド期間中はホテルエリアは24時間体制のセキュリティーがされているので安心です。


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椰子が並ぶハーバーを出た入江では、イルカがいつレース出場選手を見送ってくれます。
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こんな船がスタート運営艇です。


Index 2005シニア・レーザーワールド 9月27日 (レポート9)
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14番でフィッシュし、笑顔が戻った沖西選手。
ゴールド&シルバーフリートでの決勝ラウンド2日目、第11〜12レースが行われた。
ここまで風にも恵まれ順調に日程を消化している。今日も偏東風の120〜140°、風速MAX9.4m/sceのコンディションでスタートした。

ゴールドフリートは、右サイド優位な145°の風を掴みにスタート後、右サイドに集団が形成される。スタートしていかにポートタックの優位な風で右サイドにのばせるかが大きなポイントになる。飯島選手は、上位で上マークを廻航し、アウターループ下マークをシェイドに少し遅れること11番ぐらいで廻航する。しかし序々に風が左にシフトし、第2上マークで中途半端なコースを走り順位を落とし32位でフィッシュとなる。
10番代でフィッシュ出来るレースを落としてしまい残念であった。2レース目は、気持ちの切り替えが必要であったが、ズルズルと後退しカットレースを作る結果となった。最終日に再度、立て直して、上位でのフィッシュを期待したい。

シルバーフリートの沖西、永井選手は、やっと自分らしいセーリングが出来る様になってきた。シルバーフリートの中盤の順位を走れる様になってきたことと沖西選手は、第12レースで待望の10番台でフィニッシュした。「最初の上マークは、4位で廻航しました!(沖西談)」と、少しづつだが、成果がでてきた。

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シルバーフリートの中盤でフィッシュする永井選手(セールにJPNがみえます)
日本の3名も、海外選手もみんな疲れてきており、タクティクス等コースミスやセーリングでのムラがあちらこちらでみられる。最終日は気力で頑張って欲しい。また、今日のレースで8件のプロテストが出ている。残り少ないレースで、よりシビアーになっているのだろう。

本日の日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日決勝2レース (2グループ)
12レース以上終了したので最も悪い2レースをカット。ゴールドとシルバーの成績は最終成績で1つにまとまります。



ゴールドフリート 68艇
40位 飯島洋一 (飯島木型) 234点
  13−19−23−37−15−25−31−17−(63)−22−32−(59)

シルバーフリート 68艇      
32位 永井久規 (豊田合成) 429点
  50−50−(57)−(55)−52−47−46−44−51−28−32−29
37位 沖西祥宏 (SPN) 443点
  (66)-56-58-(63)-54−57−49−58−36−21−40−14


宿泊先のホテルロビーでは、来年のワールド開催地チェジュ島(韓国)の組織委員会のメンバーが来て2004年パンパシフィック大会の映像を流し開催地のPRをしています。大会最終日に正式な発表をする予定です。



Index 2005シニア・レーザーワールド 9月28日 (レポート10)
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最終レースを終えてほっとする永井選手
2005シニア・レーザーワールド決勝ラウンド最終日、第13〜14レースが波高2.5〜3.0、風速MAX14.2m/sce、平均11.6m/sceのラフなコンディションで行われ、レーザーワールドの最終日に相応しいエキサイティングなレースとなった。

アテネ五輪メダリストのシェイド(ブラジル)が13レースで2番でフィッシュ、ワールドチャンプがこの時点で決定した。最終レースも出場し貫禄のファーストフィッシュで本大会を終了した。本人は、スター級に転向するとのこと。今大会がレーザー級引退試合に花を添えることとなるが、どの国も次の選手が着々と成長している。総合2位のアルゼンチンは、背丈も大きくなく日本的な体格の選手であり、ニュージーランド、カナダ、オランダ等の若手選手の躍進が印象であった。

日本選手は、飯島選手がゴールドクラスで健闘し、42位で終了する。今日のラフなコンディションでフリートの中盤以上の30位を走ったことは、大きな自信となったと思う。
シルバーフリートの沖西、永井選手も後半盛り返し、かなりの手応えをこのワールドで感じたことと思う。

日本選手の成績:  参加136艇  38カ国 本日決勝2レース (2グループ)
12レース以上終了したので最も悪い2レースをカット。

ゴールドフリート 68艇
42位 飯島洋一 (飯島木型) 338点
  13−19−23−37−15−25−31−17−(63)−22−32−(59)−30−53

シルバーフリート 68艇      
33位 永井久規 (豊田合成) 483点
  50−50−(57)−(55)−52−47−46−44−51−28−32−29−31−24
36位 沖西祥宏 (SPN) 504点
  (66)-56-58-(63)-54−57−49−58−36−21−40−14ー16−45

全体的に日本チームは、フリートの30番以上で十分に争うことが出来る走りであったと思うが、レース全体の安定感とフリーのスピードがまだ欠けていると感じた。この大きな経験を生かして、国内レーザー選手達での切磋琢磨を積み重ね、来年のワールド(韓国)でより上位の成績を上げて欲しい。

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2005年レーザーワールドを終了して、笑顔でセーラーを見送るスタート本部船。前評判どおり、よく吹きました。
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うねりの大きなラフな海面で大柄なトップセーラー相手に健闘が光った飯島選手
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最後は10番台を2回とり、何かをつかんだ沖西選手


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