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アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技)

アビームカップ実行委員会 広報担当 斉藤愛子氏のレポートです

大会概要 出場選手(PDF) 招待選手(国内) 招待選手(海外) プレスリリース(PDF) 会場地図(PDF)


Index アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技)のお知らせ

春の風が吹くようになった湘南の海ですが、3月24日から27日に神奈川県・佐島で開催されますアビームカップのお知らせをいたします。大会概要は上記リンク先をご覧いただけますようお願いいたします。

現在、日産カップが佐島マリーナで開催されていますが、男子の招待選手をよんでのレースでした。アビームカップは海外から女子チーム5チームを招待し、日本のトップレベルの女子とのレースを行います。

参加選手についてはオーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、中国からになります。



Index アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技) 3月24日 計測・開会式等

アビームカップ2005は3月25−27日、神奈川県・佐島マリーナで開催されます。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、中国からの招待選手が昨日到着し、今日は午前9時から受付、チャーター艇の受け渡し、開会式などが行われました。

この大会には海外招待5チーム、国内招待5チームと国内のオープン参加の選手が出場します。アテネ五輪が終了し、北京を目指す新しいチームが多い中、アテネ代表であった吉迫由香(島精機製作所)はクルーが大熊典子(ベネッセコーポレーション)に交代しての出場です。また、海外勢はカナダのジェニファー・プロヴァンが唯一の五輪代表で、新クルーのキャロル・ラットマーと出場します。オーストラリア、ニュージーランドからはユースの国際大会で活躍している選手が集まり、中国は来年2006年に470級世界選手権が開催される日照(リーチャオ)からワン/ガオ組が参加します。

日本勢は吉迫・大熊組に加えて、全日本女子優勝の田畑・栗田組(第一経済大学)、近藤・鎌田組(ミキハウス・法政大学)、高校の卒業式が終わったばかりの鈴木・池本組(江ノ島ジュニアクラブOG)が参加します。井嶋(東亜建設工業)は2月末に左腕を骨折をしており、回復が間に合わなかったのでクルーの加藤は高橋(法政大学)との参加となりました。

大会日程:
3月25日  レース第1日  スタート 13時
3月26日  レース第2日  スタート 10時
3月27日  レース第3日  スタート 10時  レース終了後、閉会式・表彰式

3日間で合計10レースを予定しています。

大会についての問い合わせ先:

アビームカップ実行委員会広報 
(佐島マリーナ)  0468−56−0141(204号室) 担当:望月  
E−mail: 担当 斎藤  aiko@attglobal.net

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Index アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技) 3月25日 第1日目
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風待ちで、海を見つめる選手達。さっきまで凄い白波だったのが落ちてきたから、そろそろ出艇か?


アビームカップ初日は13時に予定されていたスタートが強い西風のために延期となりましたが、13時を過ぎる頃から風が弱まり、15時37分に第1レースがスタートしました。雲の影響を受けて風向が30度近く変化する複雑なコンディションの中、田畑・栗田組が右1本に近いコースどりで右からの風を1番につかみ、大きくリードして第1マークを回りました。その後ろは集団になっていましたが、ダウンウィンドのレグで近藤・鎌田組、伊藤・宮川組、高橋・加藤組が順位を入れ替えながら田畑組を追う展開となりました。

風はその後強くなったり弱くなったりを繰り返しましたが、田畑・栗田組は安全な走りでトップフィニッシュ。幸先の良いスタートをきりました。2位には近藤・鎌田組、3位に伊藤・宮川組が入りました。海外勢はチャーター艇での練習時間があまりとれなかったこともありますが、慣れないボートで、変化の多いレースコンディションにとまどいを見せていました。

スタートの時に風下エンドから出た吉迫・大熊組はバウ半分が飛び出してしまい、OCSの失格となりました。レース後半は3位につけていただけに、痛い失格です。

本日は予定していた4レースのうち、1レースしかできませんでした。明日は10時予定であった最初のレースのスタート時間が30分早まり、9時30分となります。また、1日最大4レースを予定していましたが、本日できなかった分をくわえて、時間が許す限り、数を増やすことになります。

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スタートで痛恨のリコールは4152の吉迫と3970の鈴木。今日は1レースしかできていないので、明日からまたがんばりましょう。
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ほとんど、練習する時間がありませんでした。大丈夫かと心配するのはアメリカチーム。かなり細かいことまで神経質に船の調子を考えていました。
 

第1日目の成績

(PDFファイル)


Index アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技) 3月26日 第2日目
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ストップ・田畑の使命を果たしたのはオーストラリアチーム。念願のトップフィニッシュで調子もあがり、総合で3位につけています。
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42条の失格をとられて、2回転する田畑・栗田組。しかしながら、そのあと挽回しました。


アビームレース第2レースは9:40に北北西の風5−6ノットでスタートしました。スタート直前から風が弱くなり始め、選手達は朝方まで吹いていた西風の大きな波、大潮の引きいっぱいの強い流れ、波の上と下とで変化する風に翻弄されながら、頭を使うレースとなりました。

スタートから飛び出したのは田畑・栗田組、近藤・鎌田組でした。順位が大きく変動する中で、両艇だけは安定した走りでした。田畑組は第2マークから第3マークまで行く間に審判艇から規則42条の違反をとられて2回転のペナルティーをうけましたが、ペナルティーを遂行している間に抜かれた近藤組を第3マークまでに再度抜き返す勢いで、この大会にかける意気込みが随所にでています。更に弱くなった風の中、第4マークでコース短縮となり、田畑組がそのまま逃げ切りトップ、近藤組が2位、その後ろではオリンピック代表どうしの吉迫とカナダのプロヴァンが3位争いをしていましたが、最後にカナダのプロヴァン・ラットマー組が1艇身差で逃げ切り3位に入り、吉迫・大熊組が4位となりました。

第2レース終了後、風が全くなくなり、第3レースのスタートは13時まで延期されました。14時10分にスタートした後、風が大きく東へふれてしまったので、途中で中止となり、14時50分に再度スタートをしました。東へ回った風は安定し、第3レースも田畑・栗田組が1位、吉迫・大熊が2位、伊藤・宮川組が3位に入りました。

誰か田畑・栗田を止める選手がでてこないだろうかという期待に答えてくれたのはオーストラリアのレチチ・パーキンソン組で、第4レースは途中からトップにでると、そのままあぶなげなくリードを保ち、1位でフィニッシュ、やっと調子がでてきたようです。

第5レースは夕暮れがせまる16時50分にスタートしましたが、北東にふれて、安定した10ノット前後の風でスピードあるレースができました。このレースはスタートから近藤・鎌田組が飛び出し、安定したトラピーズにのるコンディションで念願のトップフィニッシュを果たしました。また、本日誕生日で23歳になったアメリカのアマンダ・クラークが2位、3位オーストラリアが入りました。風待ちが多くて海にでられない時間が多かったので、運営も何とか日没ぎりぎりまでレースを数こなそうと必死でしたが、伊豆半島に沈む夕日をバックに全選手がハーバーへ戻ったのは18時近くになり、長い1日が終わりました。

明日は最終日で、最初のスタート時刻が10時から30分早まり、9時30分に変更されています。現在総合1位の田畑・栗田組と2位の近藤・鎌田組の日本勢に、調子をあげてきた3位のオーストラリアが逆転できるかが見所となります。

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23歳の誕生日を迎えたアマンダ・クラーク(USA)。ニュージーランドチームからひょっとこのおめんをプレゼントされ、バースデーケーキでうれしい誕生パーティーとなりました。
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佐島の夕日はきれいでした。でも、寒かったです。
  第2日目の成績 (PDFファイル)


Index アビームカップ2005 (国際470級女子 セーリング競技) 3月27日 第3日目(最終日)

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風待ちの時にもコーチの岡村さんと海面を見つめる田畑・栗田組。
最終日のレースは午前10時のスタートの予定でしたが、相模湾は朝から高気圧に覆われて、穏やかな陽気となり、海風が入りだすまでスタートが延期されました。思ったよりも海風が早めに入り始めたおかげで、11時25分に第6レースが南西の風5ノットの中でスタートしました。

最終レースは近藤・鎌田組が良いスタートから第1マークでトップにたつと、その後も自信を持ったコースどりで最終レ1位、総合でも2位にまとめました。2位は田畑・栗田組で、総合では堂々の優勝でアビームカップ初代女王の座につきました。昨日まで3位につけていたオーストラリアは風が弱いのは得意としていないようで、今日のレースでは9位をとり、総合でも5位に落ちてしまいました。逆に軽風が得意な吉迫・大熊組は3位で、総合でも3位にあがりました。

海外勢がふるわなかった理由のひとつに、経験不足があります。自艇で参加している日本選手と比較するとチャーター艇をもらってから自分のセッティングにするまでの時間が足りなかったことがあげられます。場数をふんだベテランセーラーだったら短い時間で調整ができるのかもしれませんが、若い女子選手が道具に対する準備が男子選手と比較すると上手ではないということがあり、もう少し準備時間がとれたならば海外選手達のパフォーマンスがあがったのではないかと思います。いい走りをみせながらも成績につながらず、まとめられなかったという印象が残りました。

優勝した田畑・栗田組はこの大会で勝つつもりで準備してきており、これから北京を目指していくであろう海外勢とは互角以上の走りを見せてくれました。艇のスピードを引き出す技量が他のチームよりも優れていましたし、変化にとんだコンディションではスタートから最初のマークまでの風のよみが鋭かったです。また、2位に入った近藤・鎌田組はレース展開の細かいところがたけており、不利な状況の中でも上位にあがってくるうまさが光りました。3位の吉迫・大熊組もダウンウィンドのスピードが良く、最初のマークで順位が悪くてもダウンウィンドのコースであがってくる強さがありました。今後、北京を目指して強い日本女子470チームが世界で活躍していくことに期待をもたせてくれました。

アビームカップは日本の若い女子選手達に世界を目指して活動していく意識を高めてくれる大会となりました。日本選手だけでなく海外選手も含めて、この大会で活躍した選手達が近い将来国際舞台でも表彰台にあがってくれることを期待します。本大会を開催するにあたりまして、ご尽力をいただきました皆様に心より御礼もうしあげます。

最終成績: 
1位 田畑・栗田組(第一経済大学)
2位 近藤・鎌田組(ミキハウス・法政大学)
3位 吉迫・大熊組(島精機製作所・ベネッセコーポレーション)
4位 伊藤・宮川組(第一経済大学)
5位 レチチ・パーキンソン組(オーストラリア)
6位 クラーク・ラットマー組(アメリカ)


  最終成績 (PDFファイル)
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トップを走る近藤・鎌田組。田畑・栗田とともにこれから日本をリードしてくチームです。
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本部艇にあがった回答旗。海風がくるまで待つしかありません。









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