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2001年メルゲス24世界選手権大会

日本メルゲス24クラス協会 鈴木 國央さんのレポートです


2001年メルゲス24世界選手権大会 / キーウェスト 2002年1月20日〜25日

日本より初チャレンジ!
 総合      20位

  2001年11月に予定されていた世界選手権が、同時多発テロの煽りを受け延期となり、キーウエストの主催者Premiere Racing, Incのご協力によりTERRA NOVA TRADING / YACHTING KEY WEST RACE WEEKとして、世界選手権大会を開催できることができました。 過去のワールドから見て、今まではアメリカ近隣国及びヨーロッパのみでしたが、日本からの参加は今回が初めてであり、3大陸という表現に変わり今までのメルゲスイベントで大きいイベントとなりました。
  一部の参加者を見ると3つ目のワールドタイトルを取るための熱い人気者Vince Brun、フランスからヨーロッパ選手権勝者Cedric Poulignyとヨーロッパランキング勝者のLaurent Pages、スイスからはIMS50フィート勝者のFlavio Favini、英国からはワールドランキングリーダーのJamie Lea、オリンピック銀メダリストKeith Musto。ドイツからは国際マッチレースのリーダーのMarcus Weisser、オリンピック銀メダルMorgan Reeserも参加しています。

  昨年の全日本選手権で優勝した「シエスタ」ヘルム鈴木國央、タクティクス浜崎栄一郎、バウピット伊藝徳雄、ヘッドセイルトリマー岡本康裕、ピット大高健の5名で参加した。「シエスタ」は主にJ24クラスで企業に所属したクルーでの活動を行っているが、今回のキャンペーンでは「シエスタ」のオリジナルクルーからは鈴木と岡本のみ、バウの伊藝は昨年のJ24世界選手権(西宮)で「シエスタリリー」のクルーとして活動し、それ以来特にスタートにおいて絶対の信頼を置けるバウマンである。タクティクスを努めた浜崎は、同じチームでセイリングを行うのは今回初めだが、お互いに同じシドニーオリンピックの選手としてセイリング競技に関わっていた為、レーザーと470のヘルム同士ではあったが、船の上での意志の疎通は容易であり、全神経をスピードに絞り世界でも戦えるスピードの原動力となった。また、ピットを努めた大高は昨年の関西スナイプで私のクルーとして参加したのをきっかけに、抜群のキャラクターでチームの雰囲気を和ませてくれた。クルー全員がメルゲスでセイリングを行うこと自体全日本が初めてであり、自艇を所有していないため練習も出来ず、キーウェスト入りしてからの集中練習ではあったが、クルー、チャーターボート、セイルの全てに恵まれ、勝ちを意識したキャンペーンが行えた事に感謝します。
  1月15日の現地入り以降、キーウェストの気象は晴れ、風は決まった方向からではないが軽風。15日から18日までの4日間、他の選手との走り比べとクルーワークに重点を置き、セッティングに関しては時間がないために、クァンタムセイルのチューニングガイドを100%信用した。ボートの方はほぼレース状態で借りられたためボートワークはなく、限られた時間を有効に使えたことは、チャーターボートで世界選手権に出場する環境下では珍しく、いいレースが出来ることを予感させた。またスピード練習で数々のセイラーと走り比べを行ったが、ほとんど負けることがなかったことも、チーム全体の指揮を高め、レースの始まりを大いに期待させた。
  今回の世界選手権への参加艇数は3大陸から9カ国77艇を数え、25艇もの海外からのエントリーがあった。予定された5日間のスケジュールの内、中3日間で8レースしか行われなかったが、軽風から強風まで晴天の中、段取りと手際の良いコミーッティーのおかげで、スムーズに展開されたレガッタであったことが印象的である。全レースを通じて我々チームのクローズホールドは5番くらいの速さを持っており、リコールをした最終以外、全てのレースにおいてトップスタートを切れたことが、安定した上マーク回航を行うのに貢献した。しかし、波のある海面でのダウンウィンドは、想像していたよりもトップ選手は落として走るため、そのスピードに付いていくことが出来ず、3日目になってようやくその問題を解消したものの、ゴミを引っかけたりリコールしたりとアンラッキーにつきまとわれ、最終日に順位を落としてしまったことが残念ではあった。優勝した「Blu Moon」ヘルムFlavio Faviniは全レースで下からスタートを決め、我々の1艇身前を横切っていき、我々より少し速いクローズホールドと、ダントツに速いダウンウィンドで驚異的な5連続1位をとり優勝していった。
  メルゲスというクラスは、クラスルールがしっかりとしており、世界選手権ではあったものの、艇、セイル共に登録時に計測済みのため、大会会場での計測は基本的に行われないため、セイリング以外の無駄な労力を省くことが出来るのが特徴であり好感がもてた部分である。日本国内でもトレーラーでの移動が出来る上、スロープでの上下架も可能なため、今後多くの艇が普及することを願います。私自身2002年4月より本格的なオリンピックキャンペーンを行うため、今回のように自分で企画する機会が減る事になるが、次のチャンスがあればもう一度世界選手権に挑戦したいと思います。


シエスタの各レースのポイント
総合20141928132323-74


 艇名オーナーヘルムスポイントで表示
優勝Blu MoonFranco RossiniFlavio Favini-13.11.1.1.1.1.1.7.
2位StarJeff EcklundHarry Melges4.5.7.-15.5.3.2.4.
3位FlipperVincent BrunVincent Brun3.7.-20.11.8.4.6.1.


尚、日本メルゲス24クラス協会のウェブサイトでもレース詳細及びレース結果を紹介しています。
  http://jmca.tripod.co.jp/