□2006年初島卯月レース

2006年初島卯月レース レースレポート(その2)

初島レース
ENZO 木田

朝から強い風が吹いている、今後も治まる気配はないしとりあえずレース本部に顔を出してみた 「北東の風だからスタートラインは作れますよ」とやるき満々の声こちらも気合を入れなおして出港準備にかかる
メインセールはダメージを考慮して古いセイルをチョイス
スタートラインに行くとこの風の中10艇も集まっている、風速計は30ノットを越えていたのでスピンスタートを諦め安全にジブでスタートし初島にヘディングをあわせる
スタート後ラッキーレディーがスピンアップした、この風でスピンが上がれば初島まで1時間で行ってしまうだろう
他艇はまだラッキーの様子を窺っているので全艇ジブで走っている
ENZOの上側からエブタイドがスピードに乗って追い越していった、新艇は36フィートだがビームは26フィートクラスより狭そうで大きな波の中でのヒールコントロールに神経をつかいながら走っている
ENZOのキールは重たいので、この風の中でも安定して走っているが30フィートではこの波に波長が合わずサーフィングが難しい
大型艇にどんどんゲインされているのが良くわかる、織姫はヘビージェノアを上げながら先に行ってしまった
ラッキレディーはスピンを諦めてジブでカッ飛んで行った、インデペンデンスもカッ飛んで行った、ハウラキもカッ飛んでいった
全艇の上側をグレートピープルが順調に伸ばして行く、どうやら沖よりも潮も良いのかも知れない
ENZOも少し上目に少し上らせながら艇速とヘディングをコントロールしていく、ヘルムとメイントリム以外はなんか暇そう
相模湾の真ん中は波も悪く風もMAX38ノットまで上がってきた艇速は10ノットを越えているので初島に着くのは早い
初島まで残り10マイルまで来た、このままではとても勝ち目は無い大型艇にだいぶ離されてしまった
帰りの上りのレグも大型艇には負けてしまうだろうし、風も30ノットで安定しだしたので、ためしにスピンアップ
艇速は一気に15ノットまで上がった、いままでサーフィング出来なかったが波にどんどん乗っていく
スターンに体重を固めバウ沈しないよう前の波に突っ込んでいく、ものすごいスプレーがハルの横で上がっていく
艇速もマックス17ノットまで上がった、30フィート艇では限界に近いだろう
初島北側を目指していたがどんどん落とされ南側にヘディングが合ってしまっている
このままでは初島回航が出来ないのでスピンダウン、35分のスピンランで8マイル近く走ったようだ
前を行く織姫、トレーサー、グレートピープルを抜いて初島を回航、大型艇にもだい ぶ近づいたようだ
ヘッドセイルをNo.4に換えフルメインで艇速6.2ノット上り角度も良さそうだ
超ポートロングのレグなのでただただハイクアウト波も悪いので走るのがつらい
この波の中でも織姫はがんがん走っている、あまりにもスピード差がありすぎる、 あっというまに抜かされてしまった
次にトレーサにも抜かされてしまった、グレートピープルはワンポンしているせいか上りきれずに高さが離れていく
メインを見るとリーチのテルテイルが増えている、セールが壊れて繊維が飛んでいるようだ
4年間このKSCシリーズをフル参戦して数々の戦歴を残してきたセールだがさすがに今回でお役ごめんだろう
とりあえずフィニッシュまで持ってくれることを祈るだけだ、カニンガムを引いてもセイルが伸びるだけでドラフトが前に行かない
風もまた上がってきた 強いブローと大きな波で艇は横から強い力を受けるマストも悲鳴を上げて波打ちながらこらえている
しかたがないのでワンポンしたが一気に上り角度が悪くなった
南西ブイ近くまで来たがブイが無い、修理中で丘に上がっているようだ
ここからタックタックで小網代ブイを目指す、先行艇もかすかに見えているのでこのまま頑張れば勝ち目もあると思い全員ずぶ濡れでハイクアウト、大型艇は濡れないんだろうな〜
小網代ブイに近づくと風も落ちてきたのでフルメインに戻す、一気に上り角度も良くなった5時過ぎにはフィニッシュできるかと思ったが、潮も強くライアにつづき5時半フィニッシュとなった
刺激的なスピンランとノントラブルで最後まで走りきったのが今回の勝因だったのでしょう
運営の皆様、最後まで海上で待ち続けた本部艇の皆様、大変お疲れ様でした

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